【 PBL-X 神戸市課題解決プロジェクト 1/26 】

はじめに


こんにちは!内田ゼミの「うた」です。
神戸大学では4クオーターの到達度確認試験も終了し、学生は春休みに入りました。
春休みに入ったとはいえ、大学生活が残り一年であることをひしひしと感じ始め、複雑な心境です。

さて今回の記事では、1/26に開催された「PBL-X 神戸市課題解決プロジェクト」の最終報告会について共有させていただきます。
最終報告会では、各チームが約4か月間にわたり、議論を重ねては、振り出しに戻り、議論を深めては、行き詰まり・・・という過程を経て、磨きをかけた事業案のプレゼンテーションを行いました。
また最終報告会では特別ゲストとして、灘区の民生委員さんから3名、神戸市役所の企画調整局つなぐラボから2名の方々をお招きし、各チームの事業案に対し評価・審査をしていただきました。
以下では、各チームの事業案と、特別ゲストの方々からいただいたご講評についてまとめたいと思います。
ぜひお付き合いください!


今回のゼミの内容


神戸大学PBL-X 神戸市課題解決プロジェクト」では、「高齢者のニューノーマルをプロトタイピングする」というテーマのもと、デザイン思考を学び、実践しながら事業の立案を行ってきました。
最終報告会は、約4か月間取り組んだプロジェクトの集大成ということもあり、会場には緊張感が漂っていました。

 

そんな中、最初に発表を行ったのは、チーム1でした。
チーム1の事業案は「サンテレビ×神戸市 dボタンを活用して高齢者に運動を」というものでした。
コロナ禍で外に出る機会が減り、運動することを億劫に感じるようになってしまった高齢者に対して、テレビのリモコンのdボタンで毎日の運動を記録してもらい、高齢者はその成果に応じてプレゼントへの応募ができるというものでした。
私はこの事業案を聞き、高齢者がスマホタブレットといった機器を使って参加するのではなく、各家庭にあるテレビのリモコンで参加できるという手軽さがよいと感じました。
特別審査員の方からは、「実現性・具体性がともに高く、ポイント制がおもしろい」という評価をいただいていました。
一方、「そもそも運動さえしていれば健康が保てるのか。毎日一人で運動するよりも、たまにであっても他者と会話をするほうが健康に効果的ともいわれている」と、事業を考えるうえで立てていた仮説は正しいのかをもう一度見直すべきだというご指摘もいただいていました。

 

次に発表を行ったのは、私も所属するチーム4です。
チーム4では、老老介護に日々励む高齢者が利用できる「介護カフェ 憩」の事業提案を行いました。
この介護カフェには独自のポイント制度を設けており、高齢者はカフェの利用を通してポイントを貯めたり、使ったりすることができます。
(例えば、介護カフェ内で開催されるセミナーや相談会への参加でポイントを獲得することができます。獲得したポイントは、中古の介護用品の購入費用や、趣味の会への参加費として利用できます。)
このポイント制度をきっかけとして、一人で介護の負担を抱え込んでしまう高齢者に、介護仲間や介護カフェの協賛企業とのコミュニケーションを促し、精神的な負担を軽減させることが、介護カフェの最大の魅力であると考えます。
特別審査員の方々からは、「高齢者同士が実際に会って、交流できる点がとてもよい」「(普段介護を通して親を)支えている人を、カフェで支えるという着眼点がおもしろい」というご講評をいただきました。

 

次に発表を行ったのは、チーム2です。
チーム2は「シニア新歓」という事業案の提案を行いました。
このシニア新歓とは、社会と分断されてしまう危険性の高い「受動的な高齢者」と、仲間を募集している高齢者コミュニティを、神戸市が仲介となってマッチングするイベントです。
特別審査員の方からは、「受動的な高齢者をターゲットにしている点がよい」「新歓というアイデアが学生らしく、受動的な高齢者を巻き込む事業が斬新でおもしろい」という声をいただいており、その着眼点が大変評価されていました。
大学でも、新入生とサークルや部活動のマッチングを行う「新歓」は開催されるのですが、これを高齢者にも応用するアイデアがおもしろいと感じました。

 

最後に発表を行ったのは、チーム3でした。
チーム3は「ポケモンGO×サービスエリア」という事業案の提案を行いました。
車を使っての家族旅行のなかで、トイレに何度も行きたくなるおばあちゃんの申し訳なさを、孫の楽しみに変えるという着眼点のもと、「孫が祖父母と一緒にサービスエリアに立ち寄ると、各サービスエリア限定のポケモンがもらえる」というアイデアを発表していました。
このチームは、おばあちゃんがどういった点に申し訳なさを感じてしまうのか、なぜ申し訳なさを感じてしまうのかといった点に共感を寄せたうえで、事業案を練っていた点が素晴らしいと感じました。
また特別審査員の方々からも、「スケールの大きな事業案で、大変楽しそうだと感じた」「事業として現実的なうえ、おもしろさもある」と、よく練られた事業案が好評でした。

 

今回の最終報告会では、「介護カフェ 憩」を提案したチーム4と、「シニア新歓」を提案したチーム2が、特別審査員の方々から2票ずつを獲得し、最優秀賞を受賞しました!
約4か月間かけて、チームのメンバーと取り組んだプロジェクトであったため、最優秀賞をいただけて、とても感慨深く、うれしい気持ちです。
しかしそれは、このプロジェクトを完走したどのチームのメンバーにも共通する感情なのではないかと思います。

議論を重ねては、振り出しに戻り、議論を深めては、行き詰まり・・・と、脳に汗をかくような学びができて、とても楽しかったです!
内田ゼミのみなさん、V.Schoolのみなさん、お疲れさまでした。

 

そして今回のプロジェクトでは、デザイン思考について講師を務めてくださった砂川さんや内田先生に、たくさんご指導していただきました。
またインタビューに快く応じてくださった方々、神戸市社会福祉協議会の方々、灘区民生委員の方々、神戸市役所つなぐラボの方々にも大変お世話になりました。
そして、最終報告会の第二部で、「行政のサービスデザインと官学連携」というテーマのもと、講演・パネルディスカッションをしてくださった皆様にもお礼申し上げます。
多くの方々にご指導、ご協力をいただくことで、まだまだではありますが、高齢者の方々に対する理解や共感を深めることができ、そして貴重で充実した学びを得ることができました。
本当にありがとうございました!


おわりに


少し長くなってしまいましたが、この記事を読んでくださった皆様、1年間を通し活動を見守ってくださった皆様にもお礼申し上げます。
ぜひ来年度の内田ゼミの後輩の取り組みも、見守っていただけると幸いです!
また現在、内田ゼミが前期に取り組んだ「あったか空間プロジェクト」にて、有志メンバーがクラウドファンディングを行っているので、そちらもご支援やページのシェアなど、応援をよろしくお願いいたします!
ぜひこちらのURLからご確認ください!↓
https://camp-fire.jp/projects/view/249764

拙い文章ではありますが、最後までご覧いただきありがとうございました!